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第26回 日本照明家協会協会賞 テレビ部門 奨励賞 ドラマ部門

打越 裕次(ウチコシ ユウジ)(株)NHKテクニカルサービス
作品名 木曜時代劇 慶次郎縁側日記3蝮の恋
概要 NHK総合テレビ放映の照明技術の成果にたいして

受賞について一言

● はじめに
第26回、日本照明家協会協会賞 「慶次郎縁側日記3 蝮の恋」奨励賞受賞ありがとうございました。審査員の先生方、推薦いただき感謝しております。
今日、映画を初めテレビでも、時代劇のブームとなっており視聴者の年齢層の幅が広くなったことだと思います。



● 慶次郎縁側日記とは
私の今回の作品「慶次郎縁側日記3」は今回でパート3の作品となり、原作:北原亞以子 演出:吉村芳之 出演:高橋英樹、安達祐実、石橋蓮司、奥田瑛二、かたせ梨乃、遠藤憲一、比留間由哲、大谷直子、岡本綾、と役者、演出はパート1からすべて同じ方々でドライ時は非常に段取りもよく、監督も細かい事は言わず役者との信頼関係を感じた。技術はカメラチーフ以外は初めてチーフをするスタッフで慶次郎縁側日記3に携わる事となった。収録スタジオは緑山スタジオ。



● 今回の私のネライ
セットもパート1からほぼ同じで過去のセット図と比較したら建て位置も同じで、過去に慶次郎縁側日記のチーフを行った照明チーフから情報を入手し  プランニングを実施。今回はスタジオ収録が多くスタジオで効率のよい収録を実施。基本的に4V収録でA、B班隔週ごとに収録。43分放送、10週を約2ヶ月間というスピードで収録を行った。カメラは基本的に6カメ。ペデスタル3台、ハンデイー2台、クレーンカメラ1台とフル活用。カメラチーフと  演出の吉村芳之監督からは、「役者の芝居を途中で止めてカット割りをする事が望ましくない」と打合せ時から言われ、照明プランは常に悩むことが多かった。   緑山スタジオは非常に天井が低く、<図1>常に照明は飛ばしきりでした。それでもセットが器具と1尺あるかないかという状況でした。3Kや5Kを使用したら間違いなく火事になるような状況でした。「蝮の恋」は<図2>寺で襖を開けると真っ赤な紅葉をバックにシルエットで見せるネライの奥田英二さん(蝮)が舞う芝居や殺陣の芝居があった。カラーフィルター#24を使用。実際の紅葉の色は紫色のくすんだもみじ色、赤く染めるのに緑山機材、5K4台、3K5台、パーライト1N8台で染める。カメラ感度が非常に悪く、なかなか思うように染まらないのには苦労した。単純にもみじを染めるのにトータル43K使用したのには照明スタッフも驚きでした。




<図1>
これは最大のルーズで実際は屋根に照明器具やバトンの見切れがあり、編集で加工処理。セットのタッパは20尺。緑山スタジオの脚立は最大12尺。このセットばかりは3V撮影終了後、美術のセットチェンジと平行に深夜、LSを行った。前日LSが出来なければ最悪の状況でした。




<図2>
今回の見せ場。襖を開けて蝮の登場。このもみじを染めるのには苦労しました。




<図3> 殺陣のシーン


殺陣のシーンは非常に時間も掛かる。危険も伴い、ドライを何度も行いシーンを作っていった。この時、カメラは3カメ、ほとんど手持ちで連続撮影収録を試み、更に別線でもSW収録。とにかく厳しい条件での撮影となった。私は幻想の世界での照明を試み、一番力を入れたシーンを作った。障子を#57+#B3で染め、行灯タッチには#34を入れ基本のベース明かりは#B5をプラン。逆明かりが中々入らなかった為、照明も手持ちで、しゃがみながらライトのフォローを行いカメラに見切れないようにチャレンジした。



● 最後に
今回、限られたロール時間を守る吉村芳之監督は、照明の要望もカット割に書き込まれており、監督が望む映像ができたか、役者の顔の表情など上手く表現する事が伝わったか、常に全力投球のつもりで映像を仕上げた。 カット割りを何度も見て、カメラもカット撮りしない対応に、本当に苦労し照明プランを考え取り組んだ結果が今回の賞を頂くことができました。 今回の照明プランは毎朝、スタッフに伝えLSC、フロアー一同、コミュニケーションを大切にして自分が納得できる照明を完成させた。 最後に、照明スタッフ全員に心から感謝しています。今は東京NTSから中部支社に転勤となり、また同じメンバーと再会できること楽しみにしています。




 

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