ニューヨークエッセイ
明治時代以降、日本は近代化政策として欧米諸国から技術と文化を学びました。福沢諭吉や津田梅子がアメリカから持ち帰ったものは英語だけではなく、欧米人の生き方や考え方を先進的だとする概念です。その影響は現在の日本の舞台芸術にも色濃くみられ、たとえば日本国内でのオペラやミュージカルの年間公演数やそれらに対応した劇場(ホール)の設備は、日本における欧米文化の多大なる影響が顕著に現れています。しかし、日本には長い歴史と特有の作風があり、輸入品を取って付けても日本独自の風土に馴染まない側面もあります。国際化時代に適応すべく広い視野から日本とアメリカの舞台制作を見比べたとしても、その格差を埋める必要はあるのでしょうか。