ニューヨークエッセイ
今年前期に携わった仕事の中で一つ、心が温まる照明業務がありました。それは、私がデザインを担当して今年で2年目になる、クイーンズ・ボロー・コミュニティカレッジ舞踊学部主催の舞踊公演です。昨年もとても楽しく仕事させていただきましたが、劇場の器材がすべて何世代も遡る古いライトであることと、舞踊専攻の学生が舞台監督を務める故のもどかしい進行にヤキモキした記憶が強く、今年も同公演の業務を受注した際、舞踊が求めるあかりを目指すけれども思うように再現できるかは期待できないかもしれない、と感じていました。しかし結果は、そのような私の勘をいい意味で裏切ることとなります。