ニューヨークエッセイ
照明家ブラッドリー・キング氏にお会いするのは5年ぶりでした。彼は昨年、『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812(ザ・グレート・コメット)』で第71回トニー賞のミュージカル照明デザイン賞を受賞されましたが、穏やかな笑顔と人あたりのいい物腰、そして自信を感じさせる落ち着いた口調は以前とまったく変わりません。確かにトニー賞受賞は大変名誉ある功績ですが、彼にとってはキャリアの通過点に過ぎず、受賞した事実よりも、やりがいのある仕事に巡り会えた運命と、良い仲間とのコラボレーションの結果に満足しているという印象を受けました。