ニューヨークエッセイ
ニューヨークの秋は急にやってきて、しかもとても短く、あっという間に寒くなります。今年はちょうどUSオープンが開幕した8月の終わりに珍しく日本のような厳しい残暑に見舞われましたが、その後、ぐずついた天気が続き、9月の頭に開催されたニューヨーク・ファッション・ウィークの一週間は、一雨ごとに気温が下がってゆきました。一日最低でも16時間以上働き続けることになるその一週間に、野外や空調のない(というか予算の関係で本番日以外は空調を使えない)倉庫跡地での仕事が続き、元気がとりえの私ですら風邪を引いてしまいました。本番日に風邪であることを隠し続けて無事に一仕事を終えたは良いものの、次の週に控えている次の仕事の準備が心配で寝込んでいられません。優秀な照明家があふれているニューヨークでは、もし体調不良などで仕事ができなくなっても、私の代わりになる人は山ほどいます。誰からも体調不良を責められることなく、ただ簡単に首が切られるだけです。好きな仕事に精一杯取り組むためにも、体調管理は最優先に考えるべきですね。