ニューヨークエッセイ
1月の仕事はなにかと厄介です。一番の理由は仕事の工程に年末のクリスマス休暇を挟み、この時期は皆が仕事を一旦停止して家族や親しい友人と時間を過ごすことが公認なので、仕事が進みません。したがって休暇までに仕事を終えたいと思うのが平均的な感覚で、どんなに延滞していた部署も12月中旬までに重い腰を上げて仕事を片付けるのですが、照明班だけは別です。年頭に控えている公演の装置や映像デザインがクリスマスまでに提出され、皆は「わーい、終わった!」と潔く休暇が取れても、照明家は待ちに待った装置や映像の図面を元に照明の仕込みを考え、年始の仕事開始に間に合わせるため休暇中に働くことになります。先輩の照明家にこのことをぼやいていたら、「Welcome to join the club」と言われました。