ニューヨークエッセイ
先月号に書かせていただいた音楽劇について、今月号はその後編です。題名を『トリップティッチ』と書きましたが、『トリップティック』の間違いでした。お詫びして訂正いたします。同作品のワシントンD.C.公演を無事に終え、アムトラック列車でニューヨークに戻る車中にて記事を書いています。春のD.C.は桜がとても綺麗でした。会場となったジョン・F・ケネディーセンター内アイゼンハワー・シアターは、5年前にミュージカル『サイドショー』にて、照明家ジュルス・フィッシャー氏とペギー・アイゼンハワー氏両者のアシスタントとして働いたことのある劇場でした。今回劇場に足を踏み入れた瞬間、まるでフラッッシュバックのように過去の記憶が戻ってきました。フィッシャー氏とアイゼンハワー氏がデザインした『ブリング・イン・ダ・ノイズ、ブリング・イン・ダ・ファンク』東京公演は衝撃的で、彼らの照明を勉強したいという強い希望は私の渡米を後押ししました。尊敬する大先輩と仕事をご一緒した5年前はまるで夢が叶った瞬間で、その同じ空間で今回はデザイナーとして働くことがどんなに喜ばしいことか、舞台に上がってフォーカスし始めるまで気がつきませんでした。