ニューヨークエッセイ
折原美樹氏のソロダンス公演『レゾナンス-共鳴-3』が、ラガーディア・パフォーミング・アーツで初演を迎えたのは、長い冬が終わってようやく春らしくなった5月の頭でした。27年間マーサ・グラハム・ダンスカンパニーで踊り、プリンシパルダンサーを務めた折原氏が、ソロ活動を始めて3度目のこの公演は5つの作品から構成されていました。演目順に高田せい子氏の『母』、ドリス・ハンフリー氏の『二つのエクスタティックなテーマ』、石井小浪氏の『月の砂漠』、マーサ・グラハム氏の『ラーメンテーション』、そしてユリコ・キクチ氏(芸名ユリコ)の『ザ・クライ』です。1963年に制作された『ザ・クライ』以外はどれも1930年代の作品です。アメリカと日本で同時期にモダンダンスが産声をあげ、歴史とともに全く異なる成長と遂げたそれぞれの芸術表現から人間について考える、『レゾナンス-共鳴-3』はそんな舞台でした。