この度、穴沢喜美男著『舞台照明の仕事』の複刻版を刊行いたしました。本書の原本は(株)未来社てすぴす叢書14として1953年に初版が発行されました。今回の復刻版刊行にあたっては、本文中の旧漢字や旧仮名を現代字に置き換え、見やすいB5版で再版しました。
本書の内容には、現在では使われない旧式機材についての記述などもありますが、穴沢氏の舞台照明に関する芸術的センスや創造に対する考え方は、今の時代でも重要な事として通じるものがあります。文章、解説、図面なども非常に解りやすく、学校演劇などでも貴重な入門書、手引き書として活用して頂けると思います。
「舞台照明の仕事」目次
第一部 舞台照明の理論
1 舞台照明は演劇の中の一部分である
2 他の諸要素との関係
3 舞台照明の設計者は戯曲の要求と演出の意図を知りつくさなければならない
4 舞台照明の性格について
5 視覚について
6 現実の認識と把握について
7 光線自体の表出について
8 演劇に於ける光線と時間の関係について
9 環境表現と心理的表現について
10 初歩的な実例
第二部 舞台照明設備
1 フット・ライト
2 ボーダー・ライト
3 ホリツォント・ライト
4 サスペンション・ライト
5 カウンター・ウェイト
6 スポット・ライト
7 ストリップ・ライト
8 エフェクト・マシーン
9 調光器
10 配電盤
11 ゼラチン・ペーパーの色彩及び性質について
12 舞台照明は設計者と操縦者との協同作業である