ニューヨークエッセイ
「諸行無常」とは、なんとも美しく、なおかつ非常に理にかなった言葉だなと、改めて仏教を含む東洋の文化に敬意を表します。
照明デザインという職業も、常に変化し続けています。ルネサンス時代の劇場で蝋燭による舞台照明が誕生したものの、照明を扱う人は「照明係」でしかなく、19世紀末前後にリヒャルト・ワーグナーのオペラ公演で光の重要性を主張したスイス出身のAdolphe Appiaは美術デザイナーでした。アメリカで照明デザイナーという仕事が定着したのは1930年代にマーサ・グラハム・カンパニーのテクニカル・アシスタントとして雇われた Jean Rosenthal が照明デザイナーとして活躍するようになった頃からです。